香天集9月17日 岡田耕治 選
石井 冴
水の秋くちびるが唇を押す
秋空のひとかたまりはユーラシア
いっときを校門までの月の道
それぞれに鳥居離れる九月かな
宮下揺子
吐いてより呼吸を深め熱帯夜
虚か実か隙間を埋めるのうぜん花
底心のうぜんかづらに隠しおく
生き残る人を訪う敗戦日
立花カズ子
落日に鶏頭として燃え立てり
作り手に似たり案山子の黒眼鏡
群がりて夕日の中へ秋あかね
盆栽の形に伸びて甘蔗の芽
*第2回姨捨俳句大賞に拙句集『日脚』がノミネートされ、昨日千曲市へ行ってきました。受賞できませんでしたが、選考会で仲寒蝉さん、筑紫磐井さん、小澤實さん、島田牙城さんにそれぞれ高評をいただきました。感謝。
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