冬終る 岡田耕治
山茶花に続けて便り出しており
雪だるま最後に脳を固めおく
大寒の浜飼犬を放ちけり
熱燗や家に着くまで詩人なる
アイデアを愉しんでいるちゃんちゃんこ
字を習うことの愉しき炬燵かな
仕付糸切りて白衣をまといけり
暗闇の軽く触れたる六花
寒晴や父と母との手を引いて
教室の一年生に日脚伸ぶ
指で書き葱という字を落ち着かす
冬木の芽心を先に逸らし見る
小蕪はピクルスにして白ワイン
遅くまで混み合っている関東煮
診察券一枚増えて冬終る
春を待つグランドへ土掃き戻し
年取豆足を崩して向かい合う
鬼やらい目玉ぱちくりさせており
*大阪教育大学天王寺キャンパスにて。
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