藷 岡田耕治
はまるほど近づいている蓮の実
編集の後記を残し林檎剥く
どこへでもゆける自転車朝の露
しまかぜという特急の釣瓶落し
もう一人の静かな自分秋蛍
どうすれば喜ぶだろう草雲雀
ちちろ虫渡り廊下に残りたる
蟷螂のまだあどけなき翠かな
時間外窓口にあり林檎箱
熟柿食むつるんと会話止まりけり
同じ刻同じ車窓の秋思かな
学校に育ちし藷を並べけり
人の名の句集が届き秋深し
秋風の通りすがりにわが鉢植
秋風の通りすがりにわが鉢植
理事長が最も動き芋煮会
歩き来し道のよく見え暮早し
*岬町小島にて。
0 件のコメント:
コメントを投稿