最優先 岡田耕治
牛乳は冷たし珈琲は熱し
押し競饅頭先生を固めたる
子の声の集まり静む菟かな
食べてすぐ食べたくなって太鼓焼
地に立てて白菜の白払いけり
大根の漬物鳴らし合うしじま
決断の迫っていたるセロリかな
冬の芝最優先を後にする
演台や冷たき水を備えたる
古本の店主から見え雪降り出す
梟のついて回れる視線かな
十二月楽譜はどれも捨てないで
授かりぬ高野豆腐の戻る時
「呉春」から「秋鹿」にゆく寒さかな
この酒を全部飲もうと決まる雪
*池田市にて。
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