2020年6月21日日曜日

「小説」10句 岡田耕治

小説  岡田耕治

入構の制限中を梅雨鴉
手鏡に映していたり五月闇
新緑を移動してゆくラジオかな
梅雨空を定点として働きぬ
人数が突然増えて梅雨入雨
大花火顔を大きく残しけり
夢一つ見ない眠りの明易し
夏座敷まず拭かれたる赤ん坊
初浴衣しだいに男はだけゆく
小説を読み始めたる素足かな

0 件のコメント:

コメントを投稿