死に真似のあと生き真似のさくらかな 高橋修宏
「香天」55号。例えば今日のような休みの日、一日どこにも出掛けず「死に真似」をしたくなることがあります。吉本隆明に『ひきこもれ』(だいわ文庫)という本がありますが、誰とも顔を合わさない時間というもの、時には必要です。ところが、この「死に真似」をしてみると、日常の暮らしに戻っても、それは「生き真似」ではないのかと思えてくるというのです。満開のさくらを見ていると、「死に真似」でも「生き真似」でも、どちらでもいいのかなとさえ思えてきます。修宏さん、すてきな36句、ありがとうございました。
*高野山大学難波サテライトにて。