風鈴に風躍りくる夕べかな 澤本祐子
香天集9月25日。風鈴を軒に吊しますと、いつも風を待つことになります。心地よい風が来て、この風鈴を鳴らして欲しい、と。ところが今は、「風躍りくる」というほどに、激しく風鈴を鳴らしています。そのことを良いとも悪いとも言っていない、祐子さん一流の受け止め方です。「どんな情況であっても、夕べを迎え一日を送ることになります。だからこそ、今日のこの強い風を愉しみます」そんな作者の声が聞こえてくる秀句です。
鳥取県「わらべ館」で見つけた懐かしい風景の模型。